葬儀の基礎知識 お葬式の食事

2020.05.25 カテゴリ | 葬儀の基礎知識

お葬式では親族やお手伝いの方にお食事を振舞う場面が何度かあります。

来ていただいたお礼、お手伝いいただいたお礼の意味ももちろんありますが、

故人を送る儀式の一つとしての意味合いも持っています。

※地域や宗派によって変わるので遠州地方の風習に沿って解説します。

《お葬式でお食事を振舞う場面は大きく3回》

 1、お通夜の後

 2、火葬場での待ち時間の間

 3、火葬が終わり三日目法要の後の精進落とし

《1、 お通夜の後》

 お通夜の後のお食事は「通夜振る舞い」とも呼ばれます。

 お通夜に来ていただいた親戚やお手伝いの方へのお礼として、

 お食事をお出しします。

 関東地方では一般弔問客にもおもてなしするため

 立食形式なども見られますが、遠州地方は「流れ通夜」の風習もあり、

 一斉に席について食事を摂るということが無く

 おもてなしをすることもないので、「通夜振る舞い」ではなく

単に、「お通夜のお食事」と呼んだりします。

 品物としては、お持ち帰りもできるようなお弁当を用意することが多いです。

《2、 火葬場での待ち時間の間》

 元々は故人と一緒に食べる最後のごはんとして、

 お葬式の前にお食事を振舞っていました。

 これを「出立ちの料理」「食い別れの食事」などとも言います。

 『もう一緒にご飯を食べることはない=同じ世界で生活することはない』

 という意味があり、一つの儀礼として最後の食事は

 本来重要な意味を持っており、今でもほとんどの方がご用意します。

 全国的に火葬場でのお食事というと助六が多いですが、

 これは助六が肉・魚を使わない「精進料理」であるためです。

《3、 精進落とし》

 お葬式が終わり、火葬が終わって戻ってくると

 三日目法要(地方によっては三日七日、初七日法要)を繰り上げて行い、

 その後に精進落としのお食事を振舞うのが現在の主流となっています。

 本来の精進落としは名前の通り、お葬儀から四十九日までの間

 肉・魚を食べない精進する期間を終えて日常に戻る時のお食事という意味があります。

 現在では四十九日まで精進料理で過ごすことは現実的ではないので、

 お葬式当日に振る舞うようになりました。

 もちろん、最後までお付き合いいただいた親戚やお手伝いの方への

 お礼という意味ももっています。

本来は故人の思い出話をしながらみんなでお食事する席を設けることが

供養の一つという考えで、一堂に会してお食事をしていましたが、

感染症拡大防止・ソーシャルディスタンスの確保が重要視されるようになり

お持ち帰りの折詰料理をお渡ししてご散会、という流れも多くなりました。

 近年はお葬式に参列する人が少なくなり全体的に簡略化の傾向もみられるので、

 このような振る舞いのお食事も省略する人もいらっしゃいます。

 しかし、それぞれのお食事にきちんと儀礼としての意味があるので、

 故人をしっかりとお見送りするという意味でも、

 お食事の場は設けてもらう方がよい気がします。

 今では親戚が一同に集まって食事をするという機会も

 冠婚葬祭以外では滅多にないと思いますので、

 やはり縁がある方たちが集まって食事をしながら故人の思い出話をする、

ということ自体が供養になるのではないかと思います。

浜北セレモニーホール浜昇殿では

もちろんすべてのお食事のご手配を承っております。

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いつでも事前にカタログをご覧いただけます。

またオンラインでの個別相談も可能ですので、

お気軽にお問い合わせください。

※葬儀の風習・作法などは地域により異なることがあります。
ここでは、基本的に静岡県西部・遠州地方の作法に則り解説しています。
また宗教者によっても異なる場合があります。

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※記事中のお食事の画像はイメージです。